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シンイチ オジサンのあんなこんなー また一人…

またまた、歌舞伎界から名優が一人消えた。
坂東三津五郎、59歳。 若い。 早すぎる。
ここのところ毎年名優が逝ってしまう。
一昨年は中村勘三郎、昨年は市川団十郎、そして三津五郎と。

寿命と言ってしまえばそれまでだが、どうも忙しすぎるのでは?
と思ってしまう。 7ヶ月、8ヶ月連続公演とか耳にすると、
大丈夫かなと心配してしまう。
同じ演目をずーっとやるのでも大変なのに、歌舞伎の場合は演目が
毎月違う。 舞台に出演し、次の演目の稽古を行い、その上に役者に
よってはテレビドラマや他の舞台出演などなど……これじゃあ、疲労が
抜ける間もないのではと心配してしまう。

ところが、ファンからすれば毎月でも出て欲しいという願望がある。
うーん。 難しいところだなあ。 

私が歌舞伎のファンになったのは、皮肉にも親父の死がきっかけだった。
少しでも親孝行にとの気持ちで、田舎からおふくろを呼んで歌舞伎に
連れていった。 桟敷席にも招待した。 今でも桟敷は良かったねえと
言ってくれる。 
それでいつの間にか私もすっかり歌舞伎ファンに。 今では娘も大の
ファンで、娘と2人で行ったりということもしばしば。 子供を亭主に
預けて、つかの間の父娘の時間を味わったりしている。

以前、浅草に期間限定で開設した平成中村座で「法界坊」という演目を
観た(娘と2人で)。 素晴らしかった。 もう素晴らしいの言葉しか
出てこない。
私は終盤、あまりの感激、感動で涙が出て仕方がなかった。 演目も
さることながら、勘三郎の芸の世界に引き込まれて。
そして、最後は会場全体がスタンディング・オベーション。 
勘三郎が57歳で亡くなる4ヶ月くらい前のことだった。 健康な身体でも
かなりの重労働なのに、病に侵された身体で……凄いとも思った。
その役者根性。

そう言えば、勘三郎と三津五郎が同じ舞台に立った時に、例によって勘三郎が
アドリブで三津五郎を茶化した場面があり、三津五郎はたじたじで苦笑いを
浮かべ、それでも応じてアドリブで返していた時の三津五郎の表情も忘れる
ことの出来ないシーンだ。
会場全体が一瞬にして笑いに包まれた。
二人は従兄弟で同い年。 そして私生活でも仲が良かったそうだ。
でなきゃあ、あの味、あのやりとりはなかなか……ねえ。

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(c)ShiNichi-Ojisan.