今、巷では食品の異物混入事故(事件)が相次いでいる。 ビニール片、金属片、人の歯、昆虫等、いやはや出るわ出るわ。 しかも、いろんな食品に同様のことが生じているということが判明した。 日本全体が、インスタント食品やらレトルト食品やら外食であったりと 昔と違い大量に生産をしなくてはならない必要性、しかも安価にという ことが求められ、そこにどうしてもギャップが生じてしまうということ だろうか。 でもね、やはり口に入れるものを扱っている以上、仕方ないで済まされる もんじゃないなあ。 以前、営業で都内を廻っていた時のこと。 昼食にとある喫茶店に入った。 ナポリタンとアイスコーヒーを頼んでしばし本を読んでいた。 「お待たせしました」と女性店員の声に、テーブルに目をやる。 そこには湯気が立っている出来上がったばかりの美味しそうなナポリタンが。 タバスコを数滴垂らして、細いちょうど缶コーヒーのような容器に入っている 粉チーズの蓋を空けて、勢い良くチーズを振りかけた。 振りかけた……その瞬間我が目を疑った。 なんと、ナポリタンの上で体調1cmほどの茶色いゴキブリが暴れている。 私はナポリタンを見て飛び上がらんばかりに驚き、一方ゴキブリはいきなり 熱い麺の上に載せられて驚きと熱さで手足をバタつかせている。 ゴキブリと人間が同時に驚いているという不思議な光景だった。 すぐに店の人を呼んだ。 と同時にゴキブリは熱いナポリタンから脱出して、 皿からテーブルに降り、さらに壁を伝って見えない所へ行ってしまった。 (えーっ!? 困ったな。 ゴキブリがいたなんて嘘をついてんじゃないかと 逆に疑われちゃうなあ) そこへ店員が「はい。 何か御用ですか?」とやって来た。 「いや、このチーズの缶からゴキブリが出てきて……」 「ゴキブリですか?」 (ほらね。 やっぱり信じてもらえない) と思ったその時、もう一匹ゴキブリがチーズ容器の口から、のそのそと 這い上がってきた。 (良かったあ。 こいつらアベックかなんだか2匹でいてくれて) いやいや、良くない良くない。 こんな思いをしたんだから……。 私の楽曲「ごきぶりパーティ」(シングル「パンダのパンだ/ごきぶりパーティ」より) を聴いて下さいね。一覧へ