先日、北陸新幹線に乗った時のこと。 私にとって新幹線の車内は、自分の自由になる貴重な時間である。 居眠りしたり、新聞や本を読んだり、音楽を聴いたり、煎餅を食べ ながら車窓から外を眺めたり…。 その日も、いつものように好きな時間を過ごしていた。 座席は扉のすぐ傍の、ひとつだけある1人掛けの席。 進行方向に 向かって一番後ろの席だった。 暫く居眠りをして目が覚めた。 まだ脳内回路が完全に繋がっていない。 「コツコツ」と妙な音がする。 んっ⁉️ また、「コツコツ」 んっ⁉️ ある周期で音がする。 車両の部品でも緩んで、何かに当たってるのか? 「コツコツコツ」 今度は3つだ。 「コツコツコツ」 「コツコツコツコツ」 回数も増え、周期も短くなってきた。 えーっ⁉️ キツツキ? 乗客の持ち込んだキツツキが、何かの拍子に籠から逃げ出したか? そうだとしたら…どうすればいいんだ? そのうち、一段と周期が短くなってきた。 なにしろ一番近い席なのでウルサイ。 うるさくて仕方がない。 私は意を決して腕を伸ばして、扉にある手のひらのマークを指で触る。 扉がすーっと開いた。 ホッとした表情で、東洋系外人のおばちゃんが入ってきた。 要はトイレからの戻りに、どうやって車両ドアを開けるのか分からなかった みたい。 あの手のひらマークの意味が分からなかったのだ。 とんだキツツキだ。 あは!一覧へ