4歳の孫はジイジ(私)のことが大好きで、我が家に来た時は とにかくずーっと一緒に遊んでいないと気が済まない。 私がトイレに入っても、30秒もしないうちに「ジイジ、ジイジ!」 と探しに来る。 そして「ジイジ、何して遊ぶ?」だ。 疲れるぞー。 でも楽しい。 先日、その孫が遊びに来て、お昼を食べた時のこと。 自分が先に食べ終わると、おもむろに椅子を降りて、にこっとしながら 私の横に来て両手を差し出す。 私はとぼけて「なに?」と訊く。 「だっこ。」と孫が言う。 「だーめ。 ジイジはまだ食べてんだから。」と言うが、孫はおかまい なしに私の膝に乗ってくる。 そしてジュースの入った自分のコップを、近くに引き寄せて美味しそうに 飲んでいる。 そのうち、私が何かを取ろうとして腕を伸ばした時に、うっかりコップを 引っかけてしまい、ジュースをこぼしてしまった。 「あー、やっちゃった。」 と叫び、孫を膝から降ろした。 孫はスタスタとどこかに行ってしまった。 おいおい。 孫よ、どこへ行く? 「このー、お前が膝に乗ってたから前がよく見えなかったんだぞ!」…と 心の中で思いながら、でもひっくり返したのは自分だしね。 微妙だあ。 テーブルの上に積んであった物を持ち上げては拭き、持ち上げては拭きを 繰り返した。 孫は? なにやら向こうへ行ってガサゴソやっている。 そうだよね。 子供ってそんなもんだよね。 先ずは自分が遊ぶことが優先だよね。 そんなことを考えながら、テーブルを拭いていた。 と…「ジイジ。 はい、これ使って。」と新しいティッシュの箱を持ってきた。 そうか。 キッチン脇に置いてあるティッシュの山から1箱取り出して、更に 箱の上の取り出し口の覆いと言うか、蓋と言うか、それを懸命にはがそうと していたのだった。 それがガサゴソの音だった。 なんと気の利く孫なんだ。 頭を撫でて抱きしめてやった。一覧へ