私は富山県で生まれ育った。 先日惜しくも亡くなってしまったが、野際陽子さんも富山県の 出身であった。 他にも結構富山県出身の俳優が多いんですがね。 あまり知られてはいない。 そんな中、ここ数年チケットの取りにくさでは落語会随一と言われて きたのが立川志の輔。 彼も同県人である。 今年に入り、志の輔落語会に2回行った。 一つは有名な四十七士、討ち入りの話。 歌舞伎でもちょいちょい 公演にかかる「仮名手本忠臣蔵」。 これは確か16巻だったかな? 記録として残っているそうで、普通 取り上げられるのはそのうちの一部らしい。 ところが本当にこの話(正式には事件と呼ぶらしいが)を進めるには、 事件前ならびに事件後のことも、ある程度理解しておかないと全容が 分からないと云うことで、当独演会の前半が、約1時間かけて面白おかしく 全16巻の流れをかいつまんでの紹介する。 15分の休憩をはさんで後半がいよいよ落語である。 これまた1時間を 超える大作。 都合概ね2時間半の独演会なのだ。 いやはや恐れ入った。 すごい! これは落語と言うものではないな。 先日、夏にふさわしく牡丹灯籠を演じる志の輔独演会に行ってきた。 これまた三遊亭圓朝というか圓朝落語とまで言われる、落語家の誰もが 憧れる名人が、昔いたんですねえ。 この圓朝が書き残した全7巻に及ぶ、 1冊の厚みが4cmくらいの書物があり、それを読むと、忠臣蔵と同じように 登場人物なりを説明しておかないと、登場人物が多すぎて噺を理解するのが 大変ということで、やはり前半は1時間10分程度かけて、しかもボードを 使って複雑な登場人物の説明に費やす。 もちろん面白おかしくである。 休憩後、いよいよ落語である。 これがまた凄い。 なんと1時間45分に 及ぶ噺なのだ。 トータル3時間10分の独演会である。 内容も時間ももう…すごいとしか言いようがない。 何といえば良いのか。 これは落語と言うジャンルで良いものかどうか。 私の感想ではあるが、ジャンルは「しのすけ」じゃない? そうだ、志の輔という新しいジャンルだ、これは!一覧へ