娘の子供がこの春から幼稚園に行き始めた。 いよいよ集団生活に慣れることへのスタートである。 娘に訊くと、泣くこともなく行き始めたそうで、まあ 一安心である。 でも基本土曜日は休園なので、従来通り娘に手を引かれて 我が家に来てくれる。 「じいじ、じいじ。」とうるさい。 前にも書いたが、 彼にとって私は恰好の遊び相手であるらしい。 どんどん活発な動きになってくる孫の相手は、体力的には 疲れるが、精神的には随分と救われる。 純粋で、日々新たな発見をして、屈託のない笑顔で、時には 大きな笑い声を上げてくれる。 子供の声は大好きだ。 子供の声を聞いているだけで幸せな 気分になる。 我が家のすぐ近くに保育園があり、時に子供の 遊び声が聞こえてくることがある。 一度もうるさいと感じた ことはない。 暫くニヤニヤしながら、その声を聞いている こともある。 さて、孫である。 幼稚園に行くようになると、いろんな子供が いて、今までの自分には無かった行動も覚えてくるというか、 真似をし始めたりする。 ここのところ、わざと唾を吹き出す行動が増えてきた。 どうやら 唇に唾が泡のようにまとわりつくのが楽しいらしい。 おそらく 幼稚園の友達がやってるのを見て、やり始めたんだろうね。 いや、ひょっとしたら私の孫が他の子に教えている? ま、それもいいか。 先日、我が家で遊んでいると始まった…唾のブクブクが。 何度かやっているうちに息というか、力の入れ具合を誤ったのか、 大粒の唾が私に向かって飛んできた。 数粒、あぐらをかいている 私のズボンにべチャッ。 「あっ! ダメだろ!」と私。 いつもと違う、じいじの多少厳しい 声が響く。 瞬間孫が、ややトーンの落ちた声で「ごめんなさい。」 おっ?! いつになく殊勝な声。 そして神妙な顔。 「あー、ティッシュ持っといで!」と私。 「はい!」 即座に立ち上がり、孫がティッシュの箱を持ってきた。 あらまあ、いい返事だね。 心の中で笑っちゃった。一覧へ