知り合いの話。 新幹線に乗って移動中の時のこと。 ある駅で、発車間際に若い女性が乗り込んできた。 今まで隣に女性が座ったためしがなく、窓の外を眺めて いたらしい。 …と。 なんと! 隣に座った。 これは珍しいことがあるもんだと、ドキドキしたそうな。 しかも……しかも…である。 その女性が彼に声をかけてきた。 え〜⁉︎ 女性から声をかける? そんなことってある? 今の時代なら、積極的な女性は沢山いるか…なんて妙に 納得してしまった。 当然、私はまるでスクープ記事を書く記者みたいに、 彼に質問をした。 「なんて声をかけてきたの?」 「それがですね〜。」暫く間を置く。 もったいぶるなあ‼️ 「今から寝ますから、◯◯駅に着く前に起こして下さい。」 エッ⁇ なんじゃそりゃあ❗️ うら若き女性の言葉に、つい。 「はい。」と答えてしまったらしい。 おかげで知り合いは眠るわけにもいかず、我慢に我慢を 重ねて必死に起きていたらしい。 そしてついに、女性から指定された駅が近くなってきたので、 起こしてあげようと声をかけた。 3回目にようやく目を覚ました女性は、なんでグッスリと 寝てるのに起こすのよと言わんばかりに睨みつけてきた。 どうやら頭の回線がすぐには繋がらなかったみたい。 にしても、よっぽど眠かったのか。 はたまた、よっぽど図々しいのか。 良かった、俺でなくて……。一覧へ