街を歩くと、いろんな人がいるものだ。 私が比較的歩くのが年齢の割には早いほうなので、年がら年中 前を歩く特に私よりも年配の方を追い抜くことになる。 でもねえ。 中には困った歩行者がいるんだよねえ。 女性、それもおばちゃんに多く見られるのが、どういうわけか私が 右から追い抜こうとすると、そのおばちゃんも右に進路を変える。 しからば左からと思い、左へ大きく足を踏み出してスピードを上げて、 今度こそと思った瞬間……またもやおばちゃんは左へ進路を 変えてくるのだ。 なんで? なんでこうなるのだろう。 先日、とある所を歩いていた時のこと。 私よりも小柄で、70歳前半くらいの、そして私よりも頭髪の少ない おっちゃんが前を歩いていた。 私との距離、そして歩くスピードが極めて微妙なのだ。 微妙というのはやたら遅いわけではないのだが、かと言って徐々に 追いついてしまうという感じ。 上手く表現が出来ないが。 ならば、追い抜いてしまおうと前後から自転車が来ないのを確認して、 おっちゃんの右に出た。 横に並んで一気に追い抜くぞと思った瞬間、 そのおっちゃんのスピードが同じように上がった気がした。 しばし70代前半のおっちゃんと、60代半ばのおっちゃん(私)が 並んで歩き、前から自転車が来たので、また私が後ろに下がった。 おかしいなー? スピード感が間違ってたか?と思った。 でも、その後もやはり徐々に私が距離を詰めることに変わりはない。 数十メートル歩いて、再びチャレンジを開始。 自転車が来ないことを確認し、ややスピードを上げ、おっちゃんの右に 出て、さあ追い抜くぞと思った瞬間……まただ。 おっちゃんの速度が上がった。 再び二人のおっちゃんが並んで歩くという奇妙な光景。 ならばと更にスピードを上げて抜こうとしたが、なんとおっちゃんも 更に速度アップ。 やはりそうだ。 確信した。 どうしても抜かれたくないのだ、おっちゃんは。 そんことで意地を張るなよ。 やがて交差点に来た所で終了。 おっちゃんは直進。 私は右折。一覧へ