私は仕事柄出張が多い。 したがって乗り物に乗る機会も必然的に多くなる。 それに休日に出かける時も公共の乗り物である。 先日、日曜日に一人で出かける用事があった。 行先は埼玉の杉戸。 バス~JR~私鉄という行程である。 まず往路にて。 電車で座っていると、御年輩の女性が乗り込んで私の斜め先に 立った。 すかさず、席を譲ろうと立ち上がって声をかけた。 「有り難う。 次降りますから。」 と言われて、私は座りなおし、その後見ていると、本当に次の 駅で降りられた。 帰りのバスにて。 このバスは北区内の循環バスである。 北区は東京23区の中で一番老齢者の割合が高い区である。 ましてや日曜日、乗客の8割が老齢者である。 始発だったので、御年輩の方たちが全員座り、そして私も座ることが できた。 さあ、それからがついつい乗車口に目をやりながら私は座っている。 なにしろその後のバス停でも老齢者が乗り込んでくるからなのだ。 やはり私より年配の方、あるいは杖を手にしてらっしゃる方には、 いつでも席を譲る準備をしておかなければ…。 来た来た。 小さなリュックを背負ったおばあちゃん。 私は席を立ち声をかける。 「あ、次で降りるので。」ときた。 またこの台詞である。 一度立って、また座りなおすのはなんか嫌な もんなんだよね。 でも、しょうがない。 私は仕方なく座りなおした。 次のバス停でまたまたおばあちゃんが。 手押し車を押しながら私の 近くに。 今度は座るだろうと思い、再び立ち上がり、声をかけた。 「有り難うございます。 すぐ降りますから。」と同じような返事。 そうか。 みなさん1駅でも乗るものなんだ…と納得した。 次のバス停。 ん? そのおばあちゃん降りない。 結局3駅立ったまま乗っていた。 んもうー。 座りなおすってのは、なんか逆に引け目を感じたりも するんだから、素直に座ってよー。 また次のバス停。 今度は杖をついたおばあちゃんが乗ってきた。 今度こそ座ってもらえるだろうと、声をかけた。 と……すると……またしても……あのセリフが…… 「すいません。 次で降りますから。」 もーやだあ。 今日1日で4回目。 年配者がそうしていると、そのうち誰も席を譲ろうとしなくなるかもよ。 ただでさえ、そんなことには無頓着な若者が増えているのに。 周りにこういう姿を見せる、言葉じゃない教育をするという観点からも 私は、その常套句にめげずにこれからも声をかけるぞー!! てなわけで空振り4回の1日でした。一覧へ