私は歯が昔から人一倍悪く、定期的に歯医者に通う。 ある日の治療というか、維持・調整というか……を 終えて、ある私鉄電車に乗った。 乗ってる時間は25分くらいである。 私が乗った次の駅で、ジャージ姿の女子高生6人が 乗り込んできた。 3人ずつ通路を挟んで左右に分かれて座る。 そして、わいわいキャッキャ、ケラケラと女子高生の 会話が始まる。 楽しそうでいいね。 この年代は。 イヤでも自然と会話が耳に飛び込んできてしまう。 どうやら先輩と後輩が3人ずつ居るらしく、後輩と思しき子が 敬語を使っている。 最初は部活の話だったようだが、そのうち男子生徒の話へと 会話が進む。 「あー、あのイケメンですか? 中学から一緒だったんですよ。」 「そうなんだ。」と先輩。 「そうなんですよ。 別に付き合ってるわけじゃないけど、仲は 良いですよ。」と後輩。 さらに後輩の話が続く。 「中学は2クラスだったんですけど、その中でアイツが一番の イケメンでしたね。 それで高校へ入って、今度は4クラスに なったじゃないですかぁ、当然イケメンの数も倍になると思った んですよー。」 「そうだよね。」と先輩。 「ところが、ところが…ですよ。 ブスだけが倍になりました。 いやんなっちゃいますよねえ。」という後輩の言葉に、 「あっ、そうか。 そうなんだ。」と先輩。 どうやら先輩の方が純情なんだね。 完全に後輩の言葉に押されている。 私も高校時代は同じように、その他大勢またはブスにカウントされて いたのだろうか。 面白いな、女子高生は。一覧へ