そんなわけで、 私の部屋から冷蔵庫が消えた。 おかげで狭い部屋が少しだけ広くなった。 それはそれで嬉しかったのだが、やがて悪夢を見る 羽目になろうとは、その時は思いもよらなかった。 冷蔵庫を友人の部屋に運んだのは、上京して間もない 時、その後段々と暑くなってきた。 今ほどの気温ではないものの、我々北陸人には東京の 夏の気候はキツイ。 ラジオしかない部屋の窓を100%開けて過ごすのだが、 どうにも暑い。 自然、近所の店で冷えたジュースらや牛乳を買ってくる。 ところが保冷設備がないものだから、なるべく短時間で 飲まなきゃならない。 私は牛乳が好きなのだが、小さい頃から牛乳を飲む度に 下痢をするのが常だった。 だから実は牛乳を飲むことに恐怖心があった。 それでも何度も買いに出るのも億劫だから、ついつい 500㏄の牛乳を買ってくる。 学生生活の初めのころは、案の定下痢に悩まされる ことになってしまったのだ。 でも牛乳の味が好きだから、連日500㏄を買う。 いやはや結構大変だった。 しかし、 しかーし、 そんなことを続けた結果、4年間ですっかり牛乳に 強い体質になった。 面倒ではあったが、冷蔵庫の無い生活の思いもよらない 効果である。 今や感謝である。 朝に夕に牛乳を飲んでいる。一覧へ