またある日のこと。 いつもの通り週末に来た孫と、いつも通りに プラレールの組み立てを始めた。 (ん?!) そうこうしているうちに、ふと目をやった孫の左腕の内側にかなり 大きな傷跡がある。 どこでどうしたものか、相当血も出たのでは ないかと思う。 娘は2階で歯磨き中。 私は孫に訊いてみた。 「あれえ、どうしたの?ここ。」 孫は電車を連結するのに夢中で振り向かない。 もう一度、今度は孫の腕を取って訊いた。 「ここケガしてるね。 どうしたの? 痛かったろう?」 今度は答えてくれた。 「痛かった。」と孫。 「血が出たの?」と私。 「血が出たの。」 「泣いた?」 「泣いた。」 ほぼオウム返しの世界である。 すると孫が、 「ブランコしたの。 空を飛んだの。」ときた。 (空を飛んだ?) 大きな声で会話をしてるものだから、2階の娘が「あはは」と笑っている。 普段から私は息子にも娘にも、幼い子がケガをするのは親の責任だからと 耳にたこが出来るくらいに言っているので、まずい!という意味も込みの 「あはは」である。 改めて孫に訊いた。 「ブランコで空を飛んだの?」 「空を飛んだの。」 この言い方…たまんない! 孫を抱きしめた。一覧へ