さて、友人が横を向いて涙を流したので、その背中をポンポンと 2回軽く叩いて慰めた。 そして会場へ。 もう2列目しか空いてないので、 そこへ腰かけた。 私でも開始25分くらい前に入ったが、 もう最前列と2列目の一部しか席がない。 田舎の葬儀は実に出足が早いのだ。 祭壇に目をやり、友人の親父さんの遺影に視線を注ぎ、時間を待つ。 私は時計をしないので、いつもは携帯で時間をチェックするのだが、 流石にポケットからゴソゴソと取り出すわけにもいかず、ただ待って いた。 そのうち、係の方が出てきてマイクを握った。 (おっ、いよいよ時間だな)と思った。 が、 「御住職が準備に時間がかかっておりますので、今暫くお待ちください。」 それから15分後に御住職入場。 5人の住職が入ってきた。 メインの住職は若い。 20代後半か。 そして中の1人の袈裟がなんとドクロ柄。 これはいかんわ。 確かに亡くなったことは間違いないが、なんとも気味が 悪い。 しかもかなりの高齢で読経の途中、居眠りをする始末。 いかんわー!! 葬儀が終わり、外へ出た。 運転手に聞くと、開始時間が過ぎてから、かなり急いで駆けて行った若い人が 居たとのこと。 「それが坊さんですよ!」と言うのが精一杯だった。 人生で、それこそ一度しかない旅立ちに…。 坊さん、そりゃ駄目だろう。 葬儀に遅刻はいかんぞー!一覧へ