さて、その子たちの会話…と云っても先輩が圧倒的に喋り、 後輩はほとんど相槌を打つか、合いの手を入れる程度。 やがて話はどうやら共通の友人の話になった。 「あのさぁ、◯◯ちゃんは細かいんだよね。」と始まった。 カラオケに何人か連れ立って行き、支払いの段になり、 ◯◯子ちゃんは、10円の単位まできちんと割るらしい。 「私はさー、案外その辺は鷹揚に構えるタイプなんだよね。」 そして続ける。 「例えば、1人二千円出すじゃない? それで残った分は 次回へプールすればいいじゃない?」 (うーん。大した話じゃないんだけどな)と私は思う。 もう1人待ち合わせをしているらしく、時計を見て立ち上がる 体勢に入った。 後輩が財布を出すのを見て、 「いいよ。ここは。」 「えっ?! いいんですか?」と後輩。 「あんたの就職祝いだよ。」 「すいませーん。 有り難うございます。」と後輩。 私が仮に若かったとしても、この先輩女子には決して恋心を 抱くことはないなぁ。 ま、それにしても不思議な会話であった。 ワッフルと飲み物のセット、約千円で就職祝いを済ませちゃった。 話の持って行き方がうまぁい!! 《つづく》一覧へ