いよいよ手術日。 外は五月晴れ。 でもこちらは人生初の手術で、とても「良い天気だぁ」なんて 言ってられない。 時間がきて、看護婦が迎えに来た。 彼女の後を手術室に歩いて向かう。 部屋には手術台が2台あり、どうやら交互に手術するらしい。 (言うならば手術の流れ作業~!) 半身麻酔の注射を打たれ、うつ伏せの状態で手術が始まった。 上半身と云うか頭ははっきりしてるので、音はすべて耳に入ってくる。 カチャカチャと金属音がして順調に進んでいるのが判る。 そのうち、医者の言葉が聞こえてきた。 「おかしいなあ。 今日はどうも目がかすんでるなあ」 (えっ?! おいおい大丈夫かよー) 「きのう飲みすぎたかなあ」 (えっ?! 週に1度の手術日なのに、なんで前の日にそんなに飲むんだよー) 「はい。 終わり」 と言うやいなや、パタパタと去って行く先生の足音。 私はまな板の鯉ならぬまぐろ解体ショーのように、横付けされた移動式のベッドに ころんと転がされて病室へ運ばれ、しばしの睡眠に…。一覧へ