私のようなごくごく平均的なアマチュア・ゴルファーは、まあボールが いろんな所へ飛んで行ってしまう。 いや、飛ばしてしまうと言う方が 適切な表現か。 その日も実に見事に晴れ上がった初夏の1日。 勿論汗はかいてはいる ものの気持ち良ーくプレーをしていた。 ロングホールの3打め。 グリーンの手前右に池があり、ピンは私の ボールの位置から見ると、池の左端の先にあった。 (よし、ここは直接ピンを狙っても大丈夫)えいっ! 打ったあ。 ありゃりゃボールは右方向へ。(あー、やばい) でも、ボールは池には入らず池の周りのブッシュ方向へ。 (あった、あった。 良かったー。 なんとか助かったあ。) ボールを捜しに他の3人より先にブッシュへ。 (良かったー。 ブッシュまでは飛び込んでなかった。) しかし……しかし、その直後に私の悲鳴が。 「うわー!! ひゃーっ!!」という叫び声が響き渡った。 他の3人が追いついてきて、「どうしたの?」 「へ、へ、へびが………とぐろをまいてるう」と私。 「ボールの上に?」と3人。 「いや、ボールのそば、1メートルくらい横に」 「じゃ、そーっと近づいて打てるよ」と3人。 「いや、無理無理。 アンプレイアブルを宣言するよ」と私。 アンプレイアブルは、どうしても打てない場合に宣言ができるが、 罰則として、2打スコアを多くしなくちゃいけないんだけど、そんなこと 言ってられない。 それから暫くは、その3人に会うと訊かれた。 「その後、とぐろ罰はなーい?」 意地悪な質問だなあ、もう。一覧へ