夜の夜中、時間で云うとおそらく午前1時か2時くらいだったと思う。 当時の私は確か小学校の1年生。 一番下の妹が産まれて間もない頃で、 私はいつも寝ている姉との二段ベッドの部屋を抜け出して、母とその 産まれたばかりの妹、そしてその間のもう1人の妹と同じ部屋で寝る ことがしばしばあった。 そんな4人で寝ている時の夜中、私は布団を出て両手を広げる。 するとどうだ。 ふわりと私の体が宙に浮くではないか。 そして1m くらい浮いたところで右へ左へ自由に部屋の中を飛び回ることが出来た。 赤ん坊と同じ布団で寝ている母の頭上を飛び、妹の布団を横切る。 でも不思議なことに1m以上上には行けないのだ。 あくまでも低空 飛行しか出来なかったが、私は十分満足だった。 でもそれも一時期のことで、いつしか飛ぼうといくら手を広げても 飛べなくなってしまった。 自分としては残念だったが、でも人と違う 力、要するに超能力があるんだと信じていた。 小学校の中学年、高学年、そして中学に行っても友だちにこの話をすると 「そんなこと、絶対にないよ」と一笑に付されるのが落ちだった。 今から思うと、毎晩のようにあの時期は同じ夢を見ていたのだろう。 こんな夢みたいな話を夢でもいいから見せてくれたことに感謝、感謝。 でもいったい誰に感謝すれば良いのか…。 そして、今でもほんのちょっとは思ってる。 (飛べたんだけどなあ??) 私の曲に「空飛ぶたぬき」というのがあるんだけど、まだCDには未収録です。 そのうち…ね。一覧へ