さてさて日本の平均寿命はどこまで伸びるのだろうか。 本当に長寿社会になってきた。 私が住んでいる東京北区は、今や都内23区の中で最も老齢者割合の 高い区に、たしか3年くらい前になったらしい。 晴れの1位である。 だから、どこへ行っても年配者がというかお年寄りが多い。 かく言う私も数えでは老齢者だ。 ありゃま。 自分のことは忘れてた。 先日、出張先から故郷へ入ったら知り合いのおばあちゃんが亡くなったと 聞いて、やや赤いストライプのスーツでネクタイだけ黒にしてお通夜に 参列した。 そのおばあちゃん、なんと満年齢99歳。 数え100歳である。 1世紀にわたってお疲れ様でした。 ゆっくりお休みください。 さて、読経が始まった。 なにせ小さな田舎のこと、何度か顔を見たことの ある住職だ。 私の実家とは別のお寺さんなので、顔を見た程度ではあるが (あー、この人かあ)と思いつつ、耳を傾けていた。 やがて読経が終わり、お寺さんの故人を偲んでのお話に。 「えー、皆さんご参列有り難うございます。 ここのおばあちゃんには私も 小さい時からお世話になりまして、いろいろ思い出がございます。 今後は浄土でゆっくりして頂きたいと思います。 さて、A村N子さんはちょうど1世紀に亘り……」 ここで参列者全員が??????。 固まった。 そして、2~3秒間をおいて前の方に座っている何人かが、 「違うぞー」 「名前を間違ってるぞ」 「K山N子さんだよ」と。 坊さん、言われてようやく気がついて、やや慌てながら 「すいません。 ちょっと別のことを考えてまして」 えーっ! そりゃいかんだろ。 お経を上げながら考え事? なんじゃそれ?! 素直に謝れ! その後の講和、ちっとも有り難くなかった。一覧へ