夏も過ぎてしまうと、あの猛烈な暑さがどことなく懐かしくさえ思える。 これだけ暑いと、もっとゴキブリが出るかと思ったが、意外にほとんど 見なかった。 暑すぎてゴキブリも活動が鈍かったかな? ゴキブリは何故あれほど嫌われるのだろう? 別に人に危害を加える わけでもないのに。 現われただけで、とにかくドキッとするし、気味は悪いし。 そこで、人それぞれのリアクションが出てくる。 見たとたん逃げ出す人、 この世の終わりみたいに叫ぶ人、そして親の敵とばかりに退治をする人、 様々である。 私はドキッとしつつも退治をするタイプである。 大概は新聞紙を丸めて とにかくひっぱたく。 但し、新聞と言っても夕刊では丸めてもちょっと 弱い。 なにせゴキブリは生命力が凄い。 枚数の薄い夕刊では難しい。 やはり朝刊が良い。 ごつい朝刊で思い切り良くバシッと行かなきゃ。 キッチンや風呂場で見つけた時は、中性洗剤とかシャンプーをとにかく 噴射する。 上手く命中すると、さすが別名アブラ虫。 油気が流される のだろう。 しばらくすると足をバタつかせて動けなくなる。 そこを 新聞紙を破って捕獲するのだ。 そして更に大きな新聞紙にくるんで輪ゴムで 留めるなりしてゴミ袋へ。 はい、一丁上がり。 ところが先日書斎と云うと格好いいが、小さな私の部屋でかなりの大きさの ゴキブリを発見した。 やばい! 手元に新聞紙はない。 あるのはティッシュだけ。 仕方がない。 ティッシュを4~5枚重ねて手に持ち、捕まえることにした。 でも、あのゴキブリの形が手に感触として伝わったらどうしよう……なんて 頭をよぎった。 かと言って、ここで見逃すとさらにゴキ君はどこの部屋に行くか分らない。 心を決めて、エイっとばかりにかなりのスピードでティッシュを持った手を 振り下ろした。 やった!! 見事に捕獲に成功。 でも意外に感触が伝わらない。 手をひっくり返して見たら、ティッシュの中から黒い触角が覗いて見える。 さすがにつぶすまでの勇気はない。 更に反対側からティッシュでくるみ、 また、その反対側を再度くるみ、ティッシュのボールが出来上がったところで 近くにあったコンビ二袋に入れ、上をきつく結んで終了。 こうして私の人生初挑戦が終わった。 あー、疲れた。一覧へ