息子が小学校6年だったか。 アメリカとの交換留学という制度の中で、ニューヨークから1人 男の子が我が家に約1週間泊まったことがあった。 勿論夏休みを利用してのことだから、ちょうど今頃の暑い時期 だったと思う。 そんな土曜、日曜、全くの自由時間なので東京近辺の見物をする ことにした。 日曜日はディズニーランドへ行くことにしてたので 土曜日は都内を回ることにした。 とは言うものの、そこは小学生、 はてどこを見て歩くのがいいのか迷った。 東京タワーを皮切りに都内を歩いた。 たまたまお堀端を歩いていると、何門だか忘れたが、ちょうど中へ 入ることの出来る期間にあたった。 塁の跡とか松の廊下とか普段 見ることの出来ない所を見ることができた。 子供達はさほど面白い顔はしていない。 私だけが普段見られない 場所を見ることが出来て喜んでいる、そんな図であった。 その日は、息子達に加え娘、当時小学校の3年だったと思う。 まだ私と一緒に風呂に入っている娘も連れていた。 江戸城跡を出て、暑いのでどこかで冷たいものを飲み、涼を取る ことにした。 しばらく歩いていると、どうも娘の様子がおかしい。 顔から笑顔も 消えて歩くスピードも落ちてきた。 (あっ! もしや)と思い、 「どうしたの? 暑くて具合でも悪いのかな?」と声をかけた。 案の定、娘からは予想通りの答えが返ってきた。 「ううん。 トイレに行きたい。 うんちがしたい」 (ここでえ? 本屋じゃないのに…) 仕方がないので、近くの大きなホテルに行くことにした。 5~6分、なるべく気が散るような質問を娘に投げかけながら、 ようやく着いた。 もう1人でトイレができる大きさだから、 娘を女子トイレに連れて行ったが、すぐに出てきてしまった。 聞くと女子トイレは列を作っていて、すぐに入れないとのこと。 さらばと男子トイレを覗いてみたら、空きがある。 娘の手を引いて、男子トイレの個室に2人で入った。 娘のほっとした顔を見たら、私もしたくなって、父娘で同じ 個室で用を足したという貴重な経験の一場面であった。一覧へ