何のコマーシャルだったろうか。 娘の結婚式で、チャペルでの結婚式で、父親が本当に悲しい 面持ちで娘の手を相手の男性に渡す場面があった。 結局何のCMだったのか、全く覚えてないのだが…。 現代は日本の結婚式において、チャペルと神前ではどのような 割合で行われているのだろうか。 私が思うに、若い女性は チャペルを好むんだろうなと感じている。 多分、おそらく。 私の娘は4年半前に結婚した。 今では2歳の男児の母親である。 そして、おそらく今でも私の膝の上に乗れと言ったら、乗って くれると思う。 それくらいに仲の良い父娘なのだ。 その娘と式はチャペルにするか、神前にするかもめた。 娘はチャペルを主張。 娘の友人達の多くがチャペルだったようで、 その様子をいくつか見てきて、やはり若者らしく憧れがあったみたい。 私は日本人たるもの昔からのしきたりに則り、神前を勧めた。 これで2週間ほど準備が停滞した。 最後は「費用を負担する俺の意見に従え」と半強制的に私の意見を 押し通した。 そこは仲の良い父娘のこと。 一旦決まれば、あとは 何のわだかまりもない。 娘は今でも言う。 「良かったよね、神前も厳かで。」 (そうだろう。その通り) 「でもチャペルもやってみたかったなあ。」と続く。 (あは。そうか。) 本音をある時、娘に言った。 「途中まで腕を組んで歩くのは嬉しいが、 なんで自分の手で相手の手に、おまえの手を渡さなきゃならんのか。」と。 あーっ、考えただけでいやだ! 娘に言われた。 「結局同じだったんじゃないの?」と。 たしかにそうだ。 神前で座ってる私の前を娘が通り過ぎただけで… 涙がほおを流れ落ちて仕方がなかったのだから。 「父親になれた日」(アルバム「愛」に収録)、聴いてみて下さい。一覧へ